なるほど!金属談義

金属というと、身の回りにある日常の中でどれも馴染み深いものですよね。今日は皆さんに向けて、金属にまつわる面白い話題や知識をご紹介しましょう!

1. 金属は鉱物資源

「金属」は鉱物ですが、その言葉は、ギリシャ語の「メタロン」に由来しています。これは、地面から取り出したり、採掘したり、抽出することを指します。周期表の中では、全元素の約75%が金属です。金属は、塩基性金属、遷移金属、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類、ランタニド、アクチニウムなどの様々なグループに分かれています。

室温では、水銀を除く金属はすべて固体です。地球の地殻に最も豊富に存在する金属はアルミニウムで、一方で地球全体では最も豊富な元素は鉄で、地球の核の大部分を占めています。

金属は光沢があり、一般的に熱や電気の伝導体としても知られています。一部の金属は水に浮くほど軽い一方で、多くの金属は硬く、可鍛性があり、延性があり、また叩かれると音を発する特性があります。

貴金属である銀、金、プラチナは湿った空気中での酸化や腐食に耐え、経済的にも非常に重要です。また、鋼は鉄と他の金属からなる合金であり、青銅は通常銅とスズから作られる合金、真ちゅうは通常銅と亜鉛から作られる合金です。

面白いことに、タングステンは最も高い融点を持つ金属で、非金属である炭素だけが、全元素中でより高い融点を持っています。これらの金属は、私たちの日常生活や産業に欠かせない素材であり、その多様性と特性は私たちの世界を支えています。

2.鉱物資源とは

地下に埋蔵されていて、人間にとって有益な鉱物を「鉱物資源」と呼びます。その種類はたいへん幅広く、鉱物によってさまざまな特性があります。

埋蔵量・産出量ともに多く、精錬が比較的簡単な鉄、アルミ、銅などの金属は「ベースメタル」と呼ばれています。一方、産出量が少なかったり、抽出がむずかしい希少な金属を「レアメタル」と呼んでいます。チタンやコバルト、ニッケルなどがそうです。さらに、レアメタルの一部である17元素は「レアアース」と呼ばれ、先端技術を用いた製品には不可欠な素材となっています。このほか、貴金属として扱われる金や銀などがあります。

それぞれに独自の特性を持つ鉱物資源は、産業に欠かせない素材です。たとえば自動車には、車体はもちろん内部のモーターやバッテリーなど、たくさんの鉱物資源があらゆるところに使われています。いまや鉱物資源なしでは、工業製品は成り立たないのです。

2.輸入に頼る鉱物資源

日本はベースメタル、レアメタルのいずれも、ほぼすべてを輸入に頼っています。国内にも鉱物資源がないわけではないのですが、産出量が少なかったり、環境問題などから生産コストが見合わず、利用されていません。

鉱物資源は産出する国に偏りがあり、中南米・アフリカなど政治リスクがある国から産出される鉱物も多くあります。こうした資源国から、安定的な供給を確保できるかどうかが、大きな問題となります。

金属価格の動向

近年、金属価格の動きは激しくなっています。
電線などにも使われる銅は、2002~2010年にかけて中国の需要が急激に伸びて価格が高騰しました。資源バブルの様相となりましたが、2015年からは中国の景気後退により価格が低迷します。さらに近年は、世界経済の回復や大規模銅鉱山でのストなどを背景にふたたび上昇に転じています。その他の金属も供給不足や世界の景気の影響を受けて、乱高下をくり返しています。

銅・亜鉛・ニッケルの価格推移

価格が高騰することはあまり好ましくありませんが、かといってひどく低迷することも、鉱物市場にはあまりいい影響を与えません。たとえば価格が低迷すると、採掘などの採算がとれなくなり、新規の鉱床を発見するなどの開発が進まなくなります。その結果、中長期的に供給不足となり、ふたたび価格高騰をくり返すという悪循環を生み出します。

とりわけ中国がほとんどの市場をにぎっている、ジスプロシウムやネオジムなどのレアアースについては、2010年に中国が輸出規制を行ったため、価格が最大約10倍に高騰しました。現在の価格は落ち着いていますが、同じような事態が起こる可能性もあります。

近年はこうした需給構造の変化に加えて、鉱物資源が金融商品として注目されるようになり、投資的な資金も流入しています。

EVの普及と今後の方向性

もうひとつ注目を集める動きとしては、EV(電気自動車)の普及によって、レアメタルの需要が拡大していることがあげられます。これについては、また別の記事でくわしくご紹介します。

鉱物資源を持たない日本では、必要な資源の安定供給がなによりも大切です。今後も官民が協力して、さまざまな方策のもとで安定供給を実現していく計画です。

出典:資源エネルギー庁ウェブサイト(meti.go.jp)